朝ドラ『あんぱん』で描かれた、リンと岩男の衝撃的なラスト。
信頼関係を築いたはずの二人の間に起きた“悲劇”は、1978年の名作アニメ『チリンの鈴』と驚くほど似ています。
Eテレで6月25日午前0時(24日深夜)に放送される『チリンの鈴』は、「守られた者が復讐者になる」という静かな衝撃を私たちに突きつける作品。
朝ドラの展開に感情を揺さぶられた方は、ぜひこの機会にご覧ください。
この記事はこんな方におススメ
・『あんぱん』のリンと岩男の関係に衝撃を受けた方
・『チリンの鈴』の内容や放送情報を事前に知っておきたい方
あんぱん岩男とチリンの鈴:“復讐”という共通構造
まずは、二つの物語に共通する骨組みから見ていきましょう。
朝ドラ『あんぱん』では、リンは日本兵に家族を奪われた少年です。唯一自分を守ってくれた岩男に心を開き、家族のような信頼を寄せていきます。しかし物語の最後、リンは岩男を銃で撃ち、静かに復讐を果たします。
一方、『チリンの鈴』では、子羊のチリンが母を殺したオオカミ・ウォーに弟子入りし、力を手に入れます。そして成長したチリンは、師でもあり仇でもあるウォーを自らの手で殺します。
どちらも「守られた者が、守った者を殺す」という逆転の物語。
そこに共通しているのは――信頼の裏に潜む“忘れられない痛み”です。
チリンの鈴とは? 放送情報とあらすじ
放送情報
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放送日時:2025年6月25日(水)午前0:00(24日深夜)
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放送局:NHK Eテレ
あらすじ(簡潔)
母と幸せに暮らしていた子羊・チリン。しかし母をオオカミに殺された日からすべてが変わります。
チリンは「強くなりたい」と願い、その仇であるオオカミ・ウォーに弟子入り。やがて立派な体と力を得たチリンは、かつての自分を守ってくれたはずの存在を、自らの手で倒すという決断をします。
復讐と成長、そして孤独。
30分に凝縮されたこのアニメは、大人になった今こそ深く心に刺さる作品です。
なぜリンは岩男を撃ったのか?
次に、『あんぱん』の衝撃のシーンに戻ってみましょう。
リンは、岩男に対して心を許していました。紙芝居で笑わせてもらい、戦争中にもかかわらず人間らしいぬくもりを与えてくれた存在です。
しかし――岩男は日本兵であり、間接的にリンの両親を奪った「加害側」でもあります。
リンが岩男を撃ったのは、憎しみと愛情が同居する相手に対して、自分の生を取り戻すための行動だったのかもしれません。
これは『チリンの鈴』で、チリンがウォーを倒すときに見せた「涙」にも通じます。
好きだった、でも許せない。守られた、でも奪われた。
そんな矛盾を背負ってしまった者にしか選べない道だったのです。
チリンの鈴を観る前に知っておきたい3つのポイント
① 映像は子ども向け、内容は大人向け
シンプルなアニメーションですが、テーマは「復讐」「喪失」「孤独」と重く、大人こそ刺さります。子どもと一緒に観る場合は、フォローが必要かもしれません。
② ナレーションが静かに心を刺す
セリフは少なく、ナレーション中心。感情を押しつけない分、自分の感覚で受け止める余白があります。
③ 見終わったあとに誰かと話したくなる
チリンの行動は正しかったのか? 強さとは何か? ――観た人同士で意見が分かれる“問い”が残されるのも、この作品の魅力です。
まとめ
『あんぱん』のリンと岩男。『チリンの鈴』のチリンとウォー。
どちらの関係も、“加害”と“保護”、“信頼”と“憎しみ”が交差する難しいつながりです。
この2つの物語を重ねて観ることで、戦争や暴力が人の心にどう影を落とすのか、そしてそれでも人はどのように「生きようとするのか」を考えるきっかけになるかもしれません。
📺 再放送リマインド
NHK Eテレ『チリンの鈴』
2025年6月25日(水)午前0:00~(24日深夜)放送予定
録画予約をお忘れなく!
最後までお読みいただきありがとうございました!